ご挨拶

IMG_0250_1.bmp子供たちは未来からの使者である、といいます。その子供たちがどんな社会を生きていくのか、現状を分析し未来を洞察し、必要な能力を身につけさせてやることが、教育者の務めだと思います。現状の子供たちを一番よく知っている皆様が、未来を生きる子供たちのあるべき姿を描き、現状とのかい離すなわち「教育ニーズ」をしっかりつかみ、学校の在り様を考えていただくことが、今一番大事になってきていると考えます。

そこで、この閉塞感あふれる日本社会をどう理解すればいいのか、という視点から私が蓄積してきたことを、皆様に情報としてお伝えし、考えるきっかけにしていただけたらと思い、この教育コラムマガジンを立ち上げました。 

7年間、岩手県の高校で民間人校長として勤務し、先生方との交流をした経験を踏まえた上で、経済や経営、政治や社会、教育や文化など、折に触れて小文を書き、情報提供していきます。

学ぶ姿勢・考える習慣を先生方自身が身につけ、経営品質賞の考え方を生かして、上意下達の指示待ちではなく、現場から発信し、教育委員会や文科省を動かしていただきたい。

志のある当サイト読者の方々のお役に、少しでも立つことを念願しております。

最新コラム

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2016-06-30 新自由主義の闊歩こそ人類の危機

私は、新自由主義というグローバリゼーションも、共産主義によるグローバリゼーションと同様に、人類を不幸にする「悪しき思想=設計主義」だと思っている。


2016-06-27 国民国家存立の前提

遅れた地域があれば、重点投資をして、平均レベルまでに引き上げることを、国民全体が納得するということでしょう。それだけの連帯感が醸成されている、ということが「国民国家」であることの前提です。


2016-06-25 「山の国」の逆襲が始まった

イギリスでのEU離脱をめぐる国民投票ほど、世界の耳目を集めた選挙はないだろう.


読者の集いのお知らせ

第14回三木(さんもく)会を 下記要領にて開催しますので お知らせします。

日時  7月21日(木)18時00分〜20時00分 フリートーキングの後、懇親会をしています。

場所  ザ・コミュニティ会議室(東京都杉並区天沼3−7−3荻窪法人会館3F JR荻窪下車徒歩7分)

要領  当日テーマアップしたいコラムをコピーしてご持参ください。

           世の中のことに正解はない、という前提で,他人の話をじっくり聞く会です。

会費  会場使用料及び懇親会費として、2000円申し受けます。

その他 初めての方は、一言を添えて、メールにてご連絡ください。多様なご意見を歓迎します。

新自由主義の闊歩こそ人類の危機

社会160610

私は、新自由主義というグローバリゼーションも、共産主義によるグローバリゼーションと同様に、人類を不幸にする「悪しき思想=設計主義」だと思っている。

1980年代以降、日本が、この思想を受け入れてきた結果がどうなったかは、もう結論が出ているではないか。やはり「国民国家」が必要なのである。保守の視点が必要なのである。

 

にもかかわらず、報道各社は、思考停止に陥り、トンチンカンな解説しかできていない。

いつまで国際金融資本の、腰巾着をやっているつもりなのか。彼らの自己増殖の場を提供することで、見返りでももらっているのか、と言いたくなる。

スーザン・ストレンジやジョセフ・スティグリッツをもう少し勉強したらどうか、と思う。

また、戦前の歴史、日本が太平洋戦争に追い込まれていった歴史を、おさらいしてほしい。そこで、日本人の真っ当な感覚の意見を、読者に提供したい。宮崎正弘氏と西村真悟氏のメルマガから引用する。

 

引用1:宮崎正弘氏の意見

イギリスのEU離脱を「ショック」とか「時代錯誤」とか書いている新聞がある。しかし、離脱は予測された通りの事態ではないのか。
僅差で否決されたもののスコットランド独立の動きは沈静化していないし、移民への反感が強まってきた英国社会が、これ以上のEU残留を望むというのは考えにくいことだった。
英国離脱ショックという論調の震源地は英国のファイナンシャルタイムズと週刊『エコノミスト』誌である。両誌ともにグローバリズムの最前線を走るメディアで、その基調に便乗した欧州の左翼メディア、日本のリベラルなマスコミ、とどのつまりグローバリズムを獅子吼する国際左派がその思想的退潮を嘆いているのである。
「ひどい結末だ」と、グリンスパン元FRB議長が発言したように、これは市場自由主義時代の「終わり」の始まりなのである。

また、EU本部のあるブラッセル官僚主義政治の敗北でもある。
ところが日本の論調を読んでいると、独自の国益の視点から論じたものはなく、英国進出日本企業が困惑しているとか、ナショナリズムは危険だとか、国際協調に背を向けた反動的な流れだとか、偏見にみちた『解説』が目立つ。
イギリスを襲ったのは「英国のトランプ」こと、ボール・ジョンソン前ロンドン市長が、グローバリズムに反対して、国民に強く呼びかけ、国民投票をリードしたからである。
これでイギリスは国内的にはスコットランド独立、アイルランドと北アイルランドとの統合など、ナショナリズムの動きも活発化することになる。

政権内部事情からいえば、キャメロン辞意を受けて次期首相をめぐる党内闘争が激化するだろうが、次期確実といわれた親中派オズボーン財務相の政治的影響力が著しく後退した。今後、何が起きるか。
イギリスは経済が沈み、景気は沈滞するという説がある。EUとの離脱交渉は、英国の新政権が交渉を開始し、最短でも二年、最長で七年が予測され、明日、何かが変わるということはない。過剰反応と市場の狼狽は、投資家のパニック心理を表すものでしかない。
長い目で見れば、欧州結束、政治同一化という長年のブラッセルのエリートが夢想した政治統合が幻想となって終わり、EUはやがて消滅することになるのだろう。

 

引用2:西村真悟氏の意見                                         
イギリスの国民投票によるEUからの離脱決定に関して、わが国内での議論に危うさを感じるので申しておきたい。 
何故、危ういのか。それはこの度の決定が、EUに留まるのがイギリス国民の「理性」であるべきところ、その「理性」が、EUから離脱しようとする「感情」を抑えることができなかった結果である、との解説が大勢を占めているからである。
即ち、離脱賛成が過半数を占めるということは、英国有権者が抱く反EUの「民族的感性」が、加盟維持という「国際主義的理性」を凌駕したということ。
従って、あのイギリスでも、大衆迎合的ナショナリズムが本格的に始まったことを意味する。という解釈が大勢となっている(産経新聞「正論」平成28年6月27日)。

さらに、この産経「正論」では、離脱の「民族的感性」は「ダークサイドの覚醒」であり、それは、「現在世界中で醜く、不健全で無責任な、大衆迎合的ナショナリズムが闊歩している。」、その一環なのである。
このようにこの度のイギリスのEUからの離脱決定を理解してしまうと、我が国においては、イギリスの離脱を、我が国とは無関係な別世界のイギリス国民が、とうとうぼけて理性がなくなり、感情に走った結果だと言うことになる。
しかし、違う。
イギリス国民のEU離脱決定は、別世界のことではなく、実は我が国も突き付けられている同じ問題へのイギリス国民の解答なのである。それは、グローバリゼーションへのイギリスナショナリズムの解答である。つまり移民問題へのイギリスの解答なのだ。
そもそも、「民族的感性」は「国際主義的理性」によって抑止すべき「醜い不健全で無責任なダークサイド」なのであろうか。そうではない、
「民族的感性」こそが国民国家を成り立たせる大切な精神的要点であり、「国際主義的理性」こそ民族的感性を崩壊させて国民から拠り所を奪い国民国家を解体させる「醜い不健全で無責任なダークサイド」なのだ。この「国際主義的理性」つまり「グローバリゼーション」によって、「21世紀に入り世界各地で貧富の差が一層拡大した」(産経「正論」)
健全な国民国家こそ、人類の幸せを確保する要である。
健全な国民国家の崩壊は、グローバリゼーションという弱肉強食の暴力と無秩序をもたらす温床であり、それは、何れ世界を一人の絶対的独裁者に支配させる道である。
そもそも、20世紀までのヨーロッパにおいて、「理性」と「感性」のどちらが人類に惨害をもたらしてきたのか。キリスト教の原理主義即ち「理性(偽善)」がもたらした惨害、 マルクスの「理性」つまり「インターナショナリズム」がもたらした惨害、ロベスピエールやヒトラーの「理性」がもたらした惨害を思い起こすべきだ。狂気と偽善は、いつも「理性」の姿をして顕れていたのだ。そして、大惨害をもたらしてきた。
これに対して「民族的感性」は豊かで多様なヨーロッパの文明を生み出してきたではないか。
以上で明らかであろう。イギリスのEU離脱決定は、実は我々日本国民が直面している同じ問題に対するイギリス国民の「民族的感性」に基づく解答であった。

その直面している問題とは、「移民問題」そして「TPP」である。
イギリス国民は、民族的感性によって、移民を拒否する回答を出したのである。

我々日本国民も、民族的感性によって、同じ回答を出すべきである。

国民国家存立の前提

政治160609

日本が「国民国家」である、と言える前提は、なんでしょうか。

国内にあってはどこに住んでいても、憲法の保障する「健康で文化的な最低限度の生活」が可能である必要があります。そのために、遅れた地域があれば、重点投資をして、平均レベルまでに引き上げることを、国民全体が納得するということでしょう。

それだけの連帯感が醸成されている、ということが「国民国家」であることの前提です。

 

地政学的な観点があるとはいえ、沖縄に基地が集中していることに対して、申し訳ない気持ちを誰もが持っているでしょうし、首都圏の電気を周辺部に供給してもらっていることに感謝し、それらの地域にそれ相応の予算配分をしていることに、誰も異議を唱えません。

また、税金は、富める者から貧しき者への再配分機能を持つことに異議をさしはさまない。

お互いが、日本人としてのアイデンティティを持ち、お互いさまの気持ちで、助け合うというコンセンサスがあるはずです。

 

かつて日本は、台湾と朝鮮を併合し、「植民地支配」をしたとされています。

ところが、こうした遅れていた地域に対して、日本は、国内以上の予算をつぎ込み、近代化に貢献したという事実があります。欧米列強の「植民地支配」とは、趣が全く違う、ということだけは、理解してもらいたいと考えています。

「三種の神器」でも解説しましたが、国家統合は、文化から始まり、経済に移行し、最終的に政治・軍事につながるものです。鏡から勾玉、そして剣へとつながるものです。

日本には、2600年前から、そのシオリーを踏まえて統治する知恵を持っていました。

だからこそ、台湾や朝鮮において、学校を整備し、病院を立て、各種インフラに投資し、農業を振興させたのです。

まずもって文化力を構築し、経済力に結びつける・・・そこの基盤整備に、多くの日本人が貢献しています。ハングルを国語として整備したのも、日本統治時代でした。

 

EUで「ギリシャ問題」が発生したとき、ドイツやEU本部の対応を覚えていますか。

実にお荷物、と言わんばかりの駆け引きの中で、救済案が決定されていきました。こんな状況で、EUの財政統合とか政治統合が可能でしょうか。否ですね。

ギリシャがいい加減な国家であったことは間違いありませんが、中国ほどの巨悪ではないことに、ドイツは気づくべきです。

文化力の基盤について、EUの首脳はあまり関心がないとしか思えない。経済ばかりに関心が行っているようにしか思えない。利を求めて集合した集団は、いずれかの時点で、利害が対立し、離反していく。統合に向かっているならば、教育や医療といった文化力を涵養する分野についての制度再設計などを、もっと進めるべきではないでしょうか。

EUのエリート官僚には、つまらぬ経済学ばかり勉強して、幅広い「教養」を身に着けた人物が少ないように思います。日本と同じです。

「海の国」の論理が、「山の国」の住民の生活を痛めつけ、先進国の地方都市を衰退させ、国民を分断していることは、世界共通の問題です。

もう「海の国」の論理、即ち強者の論理=資本の論理は破たんしている。まさしく『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』スティグリッツ著が明らかになってきたのです。

イギリスの離脱を皮切りに、EU崩壊の危機を迎えている、と私は考えています。

 

危機は、EUだけではありません。中国は、企業債務がとてつもなく膨らんでおり、経済崩壊へ向かって突き進んでいます。共産党統治が危うくなり、そうなれば動乱が必至です。

アメリカも、社会格差が受忍限度を超え、世界一の債務国家を支えてきたドル基軸体制が揺らいできています。次期の有力大統領候補では、ドル基軸体制は維持不可能だと思う。

これからの世界経済は、動乱期を迎えることは確実です。「経世済民」を着実に進めていくことこそ、「分断」を乗り越え、この動乱期を乗り切る唯一の方法である、と考えます。

「山の国」の逆襲が始まった

経済160608

イギリスでのEU離脱をめぐる国民投票ほど、世界の耳目を集めた選挙はないだろう。離脱派の辛勝になったようであるが、日本と同じで「海の国」の論理に耐えられない人々が、「山の国」の論理で、国家主権の回復を期待した、と考えられる。「山の国」の逆襲が始まったのだ。イギリスは、これから2年間で、各国との経済協定などを結び直し、新たなスタートを切ることになる。イギリス国民は賢明な選択をした、と私は思う。

 

新自由主義思想の欠陥は、何度も指摘してきたが、ヒトを単なる労働力としかみなしていない、したがってどこへでも移動可能としているところであり、もう一つは、国家の役割を過小評価している点である。資本の論理だけで押し切ろうとしても、そこに国民の生活があり、地域社会の共同体があり、そこには、伝統や文化に裏打ちされた価値観がある。その価値観を維持し、安全・安心を担保するのが政治家の役割である。

この資本の論理は、勝ち組である社会のリーダー層に広く浸透し、主流派経済学者や財務官僚、財界人や政治家、銀行やマスコミなどの業種にある者などは、ほとんどがこの信徒である。だから、今回の選挙でも、経済がダメになるとかといったかなり露骨な圧力を、報道機関や国際機関は、かけていたようである。

一般的に、都会の若者を中心に自己責任論とともに、新自由主義思想を是認する者が多い。これに対し、地方の疲弊を実感し、移民に社会保障費を使われているいなかの老人たちが反旗を翻した格好になっている。

 

日本においても、移民の問題はまだクローズアップされていないが、いずれ、同じ方向をたどる可能性がある。現に、労働力不足を移民受け入れでカバーしていかなければならない、などという議論が、竹中平蔵や南部靖之の経営するパソナが、盛んに喧伝している。もう、こんなレント・シーカー(政商)たちに、だまされる愚を犯してはならない。

 

この「海の国」の論理は、完全に破たんしている。これまでの経済実績が、新自由主義者のウソ、「海の国」の論理破たんを証明している。

イギリスは、英国立経済社会研究所によると、実質賃金が2008年から2013年にかけて、8%も下がっている。新自由主義が、一般庶民の生活を、破壊してきたのである。その点については、日本も同様で、現在の日本は、なんと約20年前の1997年と比べて、13%も実質賃金が下がっているのだ。

グローバル化は、先進国労働者の賃金の下方同調圧力を生じさせ、デフレ圧力となって、その国に長い低迷期をもたらすことは、何よりも日本が証明している。

そして、民族による文化や価値観の相違は、深刻な亀裂を社会にもたらすことを、欧米社会が、いみじくも証明してくれている。

にもかかわらず、日本の報道各社は、そんな指摘をしないで、例えば、朝日新聞などは、「移民受入で多様性のある社会に」といったトンチンカンな議論を、社説欄を使って繰り返す。

『「主権を我が手に取り戻せ」という自国中心的な主張や、グローバル化の現状に批判的で内向きな志向を強めるという点は、排外的な言動を繰り出す共和党のトランプ氏の支持層と重なる。』というように。

そして、「グローバル化」「内向き志向」「排外的」といった抽象用語で批判し、「主権を取り戻す」という国民国家の主権者として当たり前の行動を「自己中心的」と断じている。本来は経済問題の色が濃い移民問題が、価値観論争にすり替えられてしまい、主権者の声が圧迫される、という事態が、世界に広がっている。

 

日本においても、橋本・小泉政権の失敗により、今や日本の一人当たり国民所得は、世界の中で34位まで落ち込んでいる状況を、伝えようとはしない。

また、2013年から2015年の安倍政権時代の実質成長率は、1,9%しかなく、その前の民主党政権下の3年間の5,9%に遠く及ばない、という事実も、伝えようとはしない。消費税の失敗が、これほど明らかになっているにもかかわらず、新聞各社の論調も「ツケを将来世代に先送りするな」の大合唱をしている。まるで財務省の広告塔のようだ。

TPPの問題も同様だ。新聞各社の報道は、国民に真実を知らせず、目くらましに明け暮れている。

理論ばかりが先行し、実態を見ようとしない「海の国」の論理に、初めて先進国でノーを突き付けた、今回のイギリス国民投票を、私は評価したい。

 

報道機関や国際機関などの支配層が、世論を誘導してきたにもかかわらず、敗北したのは、SNSの発達が影響しているのだろう。民主主義の基盤に、変化をもたらしているようにも感じている。日本には「海の国」の住民は15%しかいないのに対して、「山の国」の住民は85%にも及ぶ。アベノミクスの受益は、「海の国」の論理の経済政策では、この85%には行き届くはずがない。

「米中接近」だけには注意を要するが、日本も独立路線を歩むことを、今後に期待したい。

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