ご挨拶

IMG_0250_1.bmp子供たちは未来からの使者である、といいます。その子供たちがどんな社会を生きていくのか、現状を分析し未来を洞察し、必要な能力を身につけさせてやることが、教育者の務めだと思います。現状の子供たちを一番よく知っている皆様が、未来を生きる子供たちのあるべき姿を描き、現状とのかい離すなわち「教育ニーズ」をしっかりつかみ、学校の在り様を考えていただくことが、今一番大事になってきていると考えます。

そこで、この閉塞感あふれる日本社会をどう理解すればいいのか、という視点から私が蓄積してきたことを、皆様に情報としてお伝えし、考えるきっかけにしていただけたらと思い、この教育コラムマガジンを立ち上げました。 

7年間、岩手県の高校で民間人校長として勤務し、先生方との交流をした経験を踏まえた上で、経済や経営、政治や社会、教育や文化など、折に触れて小文を書き、情報提供していきます。

学ぶ姿勢・考える習慣を先生方自身が身につけ、経営品質賞の考え方を生かして、上意下達の指示待ちではなく、現場から発信し、教育委員会や文科省を動かしていただきたい。

志のある当サイト読者の方々のお役に、少しでも立つことを念願しております。

最新コラム

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2017-01-24 マスコミは社会の木鐸たれ

テレビにしても新聞にしても「社会の木鐸(ぼくたく)=権力から独立し社会に警鐘を鳴らす役割」であらねばならないのに、その機能を全く果たしていません。


2017-01-22 トランプの経済外交

これから、どういう米中の「貿易戦争」になっていくのか、興味が尽きない。


2017-01-18 アメリカという幻想

多くの日本人は、アメリカという国に幻想を抱いてきた


2017-01-16 始末に負えない人々

流行ばかり追うと、後で失敗というツケが来ることが多い。日本中がそんな失敗事例で溢れている。


 

読者の集いのお知らせ

第21回三木(さんもく)会を 下記要領にて開催しますので お知らせします。

日時  2月16日(木)18時〜20時

場所  港区立生涯学習センター(新橋3−16−3桜田公園内)JR新橋駅烏森口改札を出て歩3分

要領  当日テーマアップしたいコラムをコピーしてご持参ください。

           世の中のことに正解はない、という前提で,他人の話をじっくり聞く会です。

会費  会場使用料及び懇親会費として、1000円申し受けます。

その他 初めての方は、一言を添えて、メールにてご連絡ください。多様なご意見を歓迎します。

マスコミは社会の木鐸たれ

社会170109

テレビにしても新聞にしても「社会の木鐸(ぼくたく)=権力から独立し社会に警鐘を鳴らす役割」であらねばならないのに、その機能を全く果たしていません。彼らの仕事は、いろいろな視点から国民に情報提供して、考える視座を提供する、ということです。

表現や思想の自由と同じぐらい、報道の品質維持は重要です。報道が今日のようにお粗末では、民主主義の前提が崩れてしまいます。

特に政治の世界では、一票の中身について、どれだけ考え抜かれた一票なのかを吟味することがありません。一票は一票なのです。

多数決民主主義は、そこに危険が潜んでいることは、歴史の教える通りです。

ハンナ・アーレントがブームになっているのには、理由があるのです。

 

グローバリズムが、さも「時代の流れ」のように扱い、批判者を封殺してきたマスコミは、そろってトランプの勝利を予測できませんでした。

いまも、ポピュリズムなどといって、誹謗中傷しているだけです。

それだけ体制内に取り込まれ、木鐸たる役割を放棄しているのです。体制とは、政財官の主流派であり、彼らの広告主のことです。

アメリカのラストベルト地帯の労働者の怒りや、オバマケアに至った医療制度の実態など、日本が30年にわたって追随してきたアメリカの、真の姿を報道してきたでしょうか。

 

私は、格差の拡大や地方の疲弊に警鐘を鳴らし、その根本原因をグローバリズムに置いて、日本独自の資本主義の復活を訴えてきました。

ようやくトランプ大統領という無茶苦茶な大統領の登場で、日の目を見る思いです。

決してトランプを支持しているわけではありませんが、わかりやすくなったと思います。

日本人の価値観や倫理観から遊離したグローバリズムの弊害はとても許容できるものではない、と訴えてきましたが、発信元の英米でも同じだったのです。私にはこうしたブログという手段しかないので、貧者の一灯を点しているのです。

 

マスコミは、彼らの信じる理念が、真実を直視しないことでしか、成立しなくなっていることの反省もありません。少なくとも、理念を掲げリベラルを自認するならば、その先に何が待ち受けているのか、その可能性について言及する義務があると思います。

それができていないということは、ニュース・ソースに偏りがある、ということです。

理念は、常に現実に裏打ちされていなければなりません。方針は、現場の意思決定に役立つものでなければならないのと同じです。経営では、トップの方針は、現場の実態と整合しなければなりません。絶えずツーウェイコミュニケーションが欠かせないはずです。

そうしたことに対する反省も、マスコミ界では、されていないのではないでしょうか。

マスコミ界もまた、失敗を認めることからスタートしなければなりません。

 

マスコミ批判に関して、最近、私が注目した記事をご紹介します。三橋貴明氏の「新日本経済新聞」です。

引用:

トランプ大統領の就任演説

『We must protect our borders from the ravages of other countries making our products, stealing our companies and destroying our jobs.
Protection will lead to great prosperity and strength. I will fight for you with every breath in my body and I will never ever let you down.』
上記の部分について、NHKは、『ほかの国々が、われわれの製品を作り、われわれの企業を奪い取り、われわれの雇用を破壊するという略奪から、われわれの国を守らなければなりません。わたしは全力で皆さんのために戦います。』と訳していました。
「国境」を「国」と表現するのもどうかと思いますが、それ以上に「Protection will lead to great prosperity and strength.」を「省略」しているわけですから、言い訳できません。なぜ、NHKは「保護主義は繁栄と強さに結びつく」を略したのでしょうか? 

アメリカの新大統領という重要人物の発言、しかも「決定的な発言」を略したNHKには、「公器」の資格がないと断言します。アメリカが(少なくとも新大統領が)保護主義の路線に進むことを表明したという「決定的な事実」を、日本国民に知らせない。
グローバリズムを思考停止的に妄信しているNHKの訳者や編集が、トランプの保護主義
宣言を隠蔽しようとしているとしか思えません。
我が国の国民は、恐るべき状況に置かれていると、改めて恐怖を覚えました。(引用おわり)

トランプの経済外交

経済170108

東洋経済オンラインに、ダニエル・スナイダー記者が書いている文章は、長年、私が主張してきたアメリカの戦略(参照:基本的考え方)をそのまま肯定したものである。これからの日米通商交渉に参考になると思うので引用して読者に供したい。1980年代の再来とならないよう祈るのみである。アメリカの本質に目覚めて、日本の今後を考えよう。

この記事にも書いてあるが、米国の主要な敵は中国であるが、中国は米国の日本タタキの手法を承知しており、日本と違い安全保障上の担保を取られていない。また、為替操作国と言っているが、中国の悩みは(中国人が国家を信用していないがために)流出するカネが膨大になっており、そのために、元安になっていることであり、一所懸命それを阻止しようとしている。過剰生産力を抱えて四苦八苦しているが、輸出ドライブとは反対の動きをしているのである。(元安になると、中国のドル建て債務が膨らむのでこれを阻止)

これから、どういう米中の「貿易戦争」になっていくのか、興味が尽きない。

引用:

ドナルド・トランプ大統領が現在考えている貿易・産業政策を理解したいなら、マーティ・マクフライと一緒にタイムマシン、デロリアンに飛び乗って、1985年の戻るだけでいい。

トランプ大統領と貿易政策担当として同氏に任命された主要な3人組は、ロナルド・レーガン元大統領時代に自らの考え方を確立した人たちだ。このとき、日本は「貿易戦争」における敵であり、まねるべき産業政策の手本だった。通貨価値の歪みを是正することを目指した1985年9月のプラザ合意から、反ダンピング提訴、輸出に関する「自主」規制、いわゆる管理された貿易取引への圧力的手段の積極的な使用に至るまで、トランプ大統領の貿易チームは、1980年代の政策モデルを頭に描いている。

「米国がもっと日本みたいだったらよかったのに…」

トランプ大統領の貿易チームには、「(過去に)日本と交渉した体験がしみ付いている」と、レーガン政権時に貿易交渉の米国側責任者だった、クライド・プレストウィッツ氏は話す。同氏は、トランプ大統領の経済戦略チームの中に、何人か親しい関係者がいる。その一人米通商代表部(USTR)に指名されたロバート・ライトハイザー氏は、かつて副通商代表を務めていたとき、米国の半導体産業を日本との競合から守る役割を果たしたことで知られる。

「彼が副通商代表に任命されたとき、日本は米国にとって貿易問題の中心的存在だった。」とプレストウィッツ氏は振り返る。同氏もまた、レーガン政権時、ライトハイザー氏とともに貿易交渉を担当。「私たちは日本と交渉しながら、米国がもっと日本みたいだったら、とつねに思っていた。」

ライトハイザー氏は、トランプ大統領と長い付き合いがある経済ナショナリスト3人組の一人であり、彼らは貿易と製造業の重要性に関する明確な考えを共有している。この3人組のほかのメンバーは、カリフォルニア大学アーバイン校のエコノミストで、新設の国家通商会議(NTC)のトップに指名されたピーター・ナヴァロ氏と、米国の衰退した製造業を再生させて富を築いた投資家で、商務長官に指名された元銀行家のウィルバー・ロス氏だ。

貿易チームの政策の展望は、2016年9月29日に「Scoring the Trump Economic Plan: Trade, Regulatory, & Energy Policy Impacts(トランプ経済政策の成功法:貿易、規制、エネルギー政策の影響)」と題した文書によって明らかにされている。ナヴァロ氏とロス氏によって書かれたものだが、発表された際にはほとんど注目を集めることはなかった。

この文書でナヴァロ氏とロス氏は、世界は国民国家によって形成され、ぞれぞれの国力は国内総生産(GDP)によって図られることを前提としているが、これはサプライチェーンや資本、労働力が容易に国家を超えてやり取りしたり、行き来したりしているグローバリスト的意見と完全に逆行する考え方である。

2人にとって、貿易赤字は、成長から差し引かれる純然たるマイナス因子だ。グローバル化の時代が残したのは、国力の源となる製造業の喪失だけだった、と両者は主張する。ロボット工学の先進国であるドイツと日本を取り上げ、米国の製造業衰弱の原因はオートメーションではなく、貿易赤字であると述べている。そして、「わが国の企業が、高い税金や厳しい規制という重荷によって海外へ押しやられていなければ、あるいは過小評価された通貨の誘惑と、不法な輸出補助金の利用といった不公平な貿易慣例によって海外に押しやられていなければ」、米国は競争力を取り戻すだろうとしている。

日本に対する評価は低くない

トランプ大統領の貿易チームは、彼らが保護主義者であり、共和党がかねてから持つ自由貿易支持姿勢を撤回するつもりではないのか、という疑いについては否定している。たとえば、ライトハイザー氏は2011年に「157年という歴史のほとんどの間、共和党は輸出を促進し、不公平な貿易政策をとることによって、国内の産業を育ててきた。」とある記事に記している。

この記事でライトハイザー氏は、国内産業を保護するために関税の利用を支持した米国初期のリーダー、アレクサンダー・ハミルトン氏とヘンリー・クレイ氏を例に挙げている。また、レーガン元大統領についても、「輸入鋼材に関税を課し、日本との競合からハーレー・ダビッドソンを守り、半導体と自動車の輸入を制限し、米国の産業を弱体化させないように、類似した無数の手段を講じた。」と称賛している。

この観点から、トランプ大統領の貿易チームは、日本や輸出主導の産業を成長させる国家政策を容赦なく行うドイツなどに対して、渋々ながら敬意を表している。ナヴァロ氏は1991年、日本について「この慢性的な貿易不均衡は、まさに両国が相いれないほどに異なっていることによる結果だ」と書いている。日本で最も優秀な人材が集まってくる日本の官僚組織が、「国家の政策目標を推進している一方で、米国の官僚組織は、凡庸に陥っている。」

もっとも、トランプ大統領の貿易チームが、「反日本」と受け止めるのは早計だ。というよりは、彼らはいまや失われてしまった「かつての日本の」の体制についてあこがれすら抱いているといっていい。実際、ロス氏はニューヨークに拠点を置くジャパン・ソサエティ(日米協会)の会長を務めているほか、2014年には日本政府から表彰もされている。

いずれにしても、日本はもはや「敵国リスト」のトップにはいない。ナヴァロ氏たちの意見では、その地位にいま君臨しているのはもっぱら中国で、不公平な貿易に関与する手段として、世界貿易機関に加わり、その協定を利用している。ナヴァロ氏は大統領選中、これによって7万以上の米国の工場が閉鎖に追い込まれた、と主張していた。中国は不法な輸出補助金、通貨操作、 知的財産窃盗、強制的な技術移転、保護主義的な非関税障壁といったおなじみの対抗手段を使っている、と。

「中国が巨大な労働力と技術を結び付けることができれば、米国にとって、状況は非常に厳しくなる。」と、ロス氏は2011年ごろ、米国のある雑誌に述べている。「どの業界においても賃金が削減され始めている。私たちは自分の生活水準を輸出して、自分の失業を輸入する危険に瀕しているのだ。」

中国に対して報復的関税を課す、あるいはメキシコの工場で作られた輸入品に関税をかける、というトランプ大統領の脅しに、多くの注目が集まっている。こうした対抗手段はきっと、貿易3人組が意図していることだろう。「実際に、1980年代に不公平な動きをした日本に、防衛的関税を課したのは、自由貿易を標榜するレーガン元大統領だった。」とナヴァロ氏は、昨年の7月に話している。「トランプ大統領は不公平な動きをするあらゆる国に対して、同じことをするだろう。」

米企業も中国に対しては懐疑的?

しかし1980年代と異なり、米国は貿易戦争の相手国に圧力をかける手段として、安全保障同盟を利用することができない。「米国は中国に対して影響力を持っていない」とプレストウィッツ氏は話す。「中国はまともじゃない。日本は半分だけまともだったが」

中国はまた、巨大な市場および製造拠点としての中国の役割に頼っている外国企業の支援も得ている。ただし、アジア貿易政策に影響力のあるネルソン・リポートの編集長、クリス・ネルソン氏によると、アップルのような米国の多国籍企業が、米政府から中国を守る姿勢は明らかに弱まっている。中国は不公平だとの認識や、相互依存性が低下しているとの見方が増えており、「(米企業が)中国で思うように稼げていないと考え始めている。」

中国に対して講じるべき最も効果的な対抗手段は、為替レートかもしれない。これはトランプ政権の財務省が、中国は「通貨の不正操作者」であると公言することを含んでいる。ナヴァロ氏とロス氏が共著した先の計画では、もし中国が通貨の不正操作をやめなければ、この手段により、「米国は防衛的で(為替操作に対する)対抗策となる関税をかけることができる」と書いている。

米国によるこうした「対抗策」は、より多くの国へ影響を与えることになる。「中国は貿易チームの3人組にとって、最も頭の痛い存在だろう。」とプレストウィッツ氏は話す。「しかし日本、韓国、ドイツなどほかの国々との問題がないわけではない。通貨は重要な問題だ。」同氏は、国際通貨運営の新体系を作り出す試みとして、再びプラザ合意を行うことさえ検討されるかもしれない、と予見している。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のような多角的経済連携協定に関していえば、貿易3人組の関心は低い、というより、価値を見いだしていない。政権移行チームに近い情報筋によると、ナヴァロ氏らは、TPPが、中国の台頭を妨げる手段には決してならない、と考えている。複数の情報筋によると、それよりは日本などと新たに2国間の貿易協定を交渉するほうがより現実的のようだ。

キーパーソンはナヴァロ氏

もちろん、トランプ新政権において、事態がどのように進むのかを予測しようとしても、予測不可能な要因が浮上する可能性は十分にある。しかし貿易・産業政策に関していえば、トランプ大統領は私が以前書いたとおり、1980年代に回帰することで一貫している。

この中で特にナヴァロ氏は、アジア政策に関しては、誰もが予想しているよりはるかに広範囲な役割を演じることになりそうだ。アジア政策に関して、同氏は中国に対する辛辣な批評家であり、太平洋上での広範囲に及ぶ米国の軍事増強を強く支持している。同氏はアジア関連の担当者の指名にはすべて関与する、といわれている。政権移行チームに近いある情報筋は「トランプ政権ではナヴァロ氏が特に大きな影響力を持つだろう」とみている。

今、日本やアジアの企業やビジネスパーソンがやるべきことはひとつだ。日頃のビジネスの理想はひとまず脇に置いて、これから米国を率いることになるトランプ大統領と、貿易3人組が何をしようと考えているのか、それに対する理解を深める努力をするべきだろう。(引用おわり)

 

アメリカという幻想

政治170107

明後日、トランプが第45代アメリカ大統領に就任する。「異例の」という形容詞付きの大統領である。こんな大統領が選択されるほど、アメリカという国家が病んでいる、ということである。同時に、この程度の国である、ということが日本人にもわかってよかった、と私は考えている。多くの日本人は、アメリカという国に幻想を抱いてきたと思うからだ。

個別企業の経営にまで口先介入し、そういったことに世界が戦々恐々としている姿は滑稽でもある。

 

アメリカの歴史を振り返れば、それは所詮、侵略と略奪の歴史に過ぎない。先住民を騙し、土地を略奪、西へ西へと帝国主義的拡大を成し遂げた国家である。自分たちの掲げる理念にのみ正義を見出し、それを世界に押し付けてきた国家である。そこには、人種的優越感としか言いようのない不遜な価値観しか存在しない。

その理念は、覇権を維持するための理念に過ぎない。彼らにとって都合の良い理念でしかない。「自由と民主主義」なるものも、戦後の歴史だけを振り返っても怪しいこと限りない。

極めてご都合主義の「自由と民主主義」である。そこに「正義」が見出せるだろうか。

マスコミの好きな「リベラリズム」という宗教は、「現実」を見ないことでしかもう成立しなくなっている。「現実」は、もっとドロドロした、へどが出るぐらい汚いものである。

 

資本の自由化が国益にかなうと思えばそれにシフトし、その結果、新興国の発展で、国内製造業の空洞化が進めば、今度は、国内雇用の確保にまい進する。

石油利権の確保が国益にかなうと思えば、中東に余計な介入をして、混乱を作り出す。

国内にシェールオイルが発掘されれば、中東への介入を止める。

いわゆる自由経済圏を拡大することが国益にかなうと思えば、中東の春や東欧の春を策動し、政治的混乱を作り出す。そして武器輸出にまい進する。

世界中が迷惑だと思いだしたら、政治的覇権は縮小するのは当然だ。ヨーロッパも難民で迷惑している。アメリカ自身も費用対効果を考えざるを得なくなる。アメリカの選挙民が、自分たちの政府の国益追及が、一部の国際資本家のみに富をもたらし、一般庶民を苦しめている構造を理解し出したことが、トランプ大統領につながった。

 

トランプが保護主義的政策をとると、今度は経済的覇権も縮小せざるを得なくなるだろう。

財政赤字や経常赤字の双子の赤字が許されているのは、ドル基軸体制が確立しているからだ。輪転機でドルをすれば、そのドルで必要な物資は世界から購入できる。世界一の債務国でありながら、豊かさが享受できるのは、アメリカという国家の信用があるからだ。

アメリカが、これ以上自己本位の勝手なことをやりだすと、おそらく中国もヨーロッパも、ドル基軸体制に切り込むことになるだろう。日本のようにおとなしくはない。

中国は、独自にAIIBを主導し、アジアでの経済的覇権を狙っているではないか。

ヨーロッパ各国が、これに参加したということは、バランスを考えてのことだ、と思う。

 

トランプの言動を見ていると、おそらくそういうことが分かっていない。何でもディール(取引)できると思ったら大間違いである。だんだんと離反国家が増えるだろう。

偉大な国にするつもりが、国家の衰退を早めることになる。トランプは間違いなく「覇権国アメリカ」の最後の大統領になるだろう。

アメリカの衰退は自業自得だからやむを得ないとしても、中国に覇権国の地位を譲ってもらうことは、日本としては、最悪の事態になる。そうなると、尖閣のみならず沖縄も日本であることの正当性も失われかねない。

何とか、アメリカに、中国を増長させた責任を取ってもらいたいものだ。

しかしながら「市場」が大きいだけに、余程うまく立ち回らなければ、日本の方が危うい。

 

大国は、統治のために「理念」を掲げようとすることはやむを得ない。しかし、その理念なるものは、アメリカにしても中国にしても、周りの者にとっては迷惑至極のことも多い。

立派な理念は、ご都合主義に堕し、大抵実質を伴わない。そして、平気でうそをつく性癖は、未来永劫、決して治らない。

そういうところは、日本の庶民の方が、頭でっかちのエリートたちより、肌感覚で分かっている。

これがまあ 終の姿か デモクラシー

バカの壁 なんてタイトル 思い出し

海と空 わがもの顔に マーキング      (朝日川柳2017・1・14より)

始末に負えない人々

経営170106

権力の座についていた人は、その取扱いに困ることが多い。その在任期間の失敗について言及されるのを極端に嫌う。時代が大きく変わろうとしている現在、これまでのリーダーの多くが、不愉快の渦中に投げ込まれる。

個人を攻撃しているのではない。その方針の前提が、間違っていましたね、と言っているに過ぎないのに、過剰反応して怒り出す。

批判の対象は、その方針なり考え方なりに対して、である。にもかかわらず、度量のない人は、世の中には多いものだ。「偉かった人」の典型的パターンである。流行ばかり追うと、後で失敗というツケが来ることが多い。日本中がそんな失敗事例で溢れている。

竹下登は、石破茂に「正しいことを言うのは気を付けたほうがいい。必ず誰かを傷つけていることを知っておけ。」と説教したそうであるが、「言語明瞭・意味不明」では、後続の人たちには教訓とすることができない。(1月10日付朝日新聞「折々のことば」)

 

本当に組織を変革する必要があるならば、嫌われる勇気のある人でなければ、とても達成できない。誰かを傷つけるとか人からの評価を気にしているなら、「仕事師」にはなれない。

歴史にIFはない。しかも、世の中のすべてのことは、仮説で動いている。その仮説を検証するのは、歴史である。時間をおいて見ていかないと、正解に近づけない、ということを日本人は、もっと理解すべきである。

歴史を見る目を付けると、業績を悪化させ組織を壊すのは、大抵「やり手」であることがわかる。その人の方針が、結果的にうまくいかなかったら、やはり間違っていたのである。

経営学は、後追いで、そうした知恵を積み重ねることによって、発展してきたのである。

罪を憎んで人を憎まないという態度は肝要であるが、検証しないと後輩の役には立たない。

 

ビジネスの世界は、政治と宗教はタブーとしている。価値観の相違は簡単には埋まらない。だから、当然のこととして、受け入れられている。私自身も、やむを得ないと考えてきた。しかし、社会問題を突き詰めていくと、政治に行きつく。政治的に無色などということはあり得ない。人間を突き詰めていくと、宗教や哲学に行きつく。これは避けて通れない。

組織のリーダーなり、業界のリーダーなり、経済界のリーダーなりになると、そうしたことにも、それなりの見識が必要である。そういう人材はどうして育つのか。

 

結局、世界観・歴史観・価値観を鍛えて、人生哲学を構築した人物ということである。

大抵は、実務の中で、より大きな空間で考えてきた人、より長い時間軸で考えてきた人、実務と学問的成果を行きつ戻りつしながら価値観を醸成してきた人、ということであるが、そういう人物は教育不能であるからして、育った人をリーダーに据えるしかない。

トップの一番大きな仕事は後継者の育成としているのは、そういうことだ、と私は思う。

かつて、トップに必要な条件として、時代を見る目・人を見る目・孤独に耐える精神力、の3つを上げる人の話を聞いたことがあるが、これに「激務に耐える体力」と「学ぶ姿勢・考える習慣=謙虚・誠実・真摯といった徳目」を上げておきたい。

ゆめゆめ批判されると激怒するような度量の狭い人物を、トップに据えてはいけない。

 

大きな会社の場合は、曲がりなりにも寄合民主主義があるから、まだいいが、世襲企業の場合は、始末に負えないケースが目立つ。

日本衰退の一因であると思うぐらい、経営者層に、強欲と反知性が蔓延している。

謙虚さを失った人間の末路は哀れなものである。何人もの事例を私は知っている。

中小零細企業主では、異業種交流会や地域の経済団体で、研修会に参加して刺激を受けている人はまだいい。アンテナが低いにもかかわらず、そういうことすら自覚できない経営者は、始末に負えない。イエスマンを周囲に侍らせ、いじめられっ子を𠮟りつけて留飲を下げている。

 

中小零細企業主の中には、会社内に優秀な人間がいないから、会社方針が徹底しない、と嘆く向きが多いが、そこまでわかっているなら、そんな人間でも会社方針を具体化できる仕組みを、どうして構築しないのか、ということである。

あまりに抽象的過ぎて、現場で動けないことが多いものである。会社方針など決めても、それっきりにするのではなく、普段の業務の中に織り込み、常に問題意識を鮮明にさせる仕組みがなければ、定着しないのは当たり前である。

それができないなら、会社方針など決めない方がよい。現場第一線こそが付加価値を発生させる場であり、そこでの行動変容が期待できないようなお題目では意味がない。

「神は細部に宿る」(ドイツの建築家ローエの言葉)というのは経営の鉄則である。

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