トランプ大統領を歓迎する

政治161107

アメリカ大統領選に決着がついた。接戦ではあったが、共和党トランプの勝利で終結した。私は、これを歓迎したい。これでグローバル化一辺倒の流れは止むことになるだろう。

しかし、トランプはどう考えても滅茶苦茶な人物である。こんな人が大統領になるくらいアメリカ社会が病んでいる、ということを証明してくれた。

そして、TPP批准に向けて、国会ですったもんだしている「ゆでガエル状態」の日本人を覚醒してくれることを期待する。

さらに、過去数十年にわたって、日本の心を忘却し、ひたすらアメリカ主導のグローバリズムに乗っかってきたことへの反省の機運が、起こってくることを期待する。

 

アメリカは、金融資産の保有率でいうと、上位1%で23%、上位10%まで広げると74%にも及ぶ超格差社会である。アメリカの歴史は、強き者がルールを決め、弱き者に押し付けてきた歴史である。弱肉強食を旨とし、そのかわり、誰にでも機会は与えられていた。

ところが、昨今の情勢は、必ずしもアメリカンドリームを若者に与えられていない。地方は疲弊し、白人の45歳から55歳の死亡率が、極端に上昇している。職にあぶれた労働者が、すさんだ生活をするからだそうだ。

アメリカが、日本の成長を抑えるために導入した新自由主義思想によるグローバリズムによって、当のアメリカ自身が苦しんでいるのである。

竹中平蔵をはじめとする主流派経済学者たちは、ありもしないトリクルダウンなどということを持ち出し、それが実体のないものだと証明されると、今度はセーフティネットなどと言い出している。無責任極まりない。

日本もTPPなどを締結し、これ以上強引なグローバル化を進めると、アメリカ社会と同じ病巣を抱え込むことになる。

すでに、日本でも、格差拡大は相当程度進んでおり、地方の疲弊、若者や女子の生活苦が蔓延し、未婚率の増大に伴い、極端な少子化が進行している。

それは、日本人の倫理観に一致しているのか。私は、常にこのブログで問題提起してきた。

経済学者などは、狭い範囲の経済学しか勉強せず、リベラルアートをしっかりと勉強しないから、社会の現実から遊離した理屈ばかりを振り回すのである。

伝統と文化を疎かにし、言われるままに、対米追従を繰り返してきた、この30年を猛省すべきであろう。

 

トランプに対応することにも一苦労することは致し方ない。時間を稼ぎながら、体制固めしていくしか方法はない。自立の道を、時間をかけて、模索していくことだ。

トランプは、国家運営とビジネスの区別がついていない人物である。

圧倒的な軍事力を背景に、ドル基軸体制を守り抜き、ドルを世界にばらまくことで、有利な競争環境を確保してきた。これから同盟国とギクシャクし、このドル基軸が崩壊すると、もうアメリカは、衰退の一途となるだろう。世界で断トツの債務大国なのである。いかにこのドル基軸の恩恵を受けてきたか、理解できていない。

公約している経済政策を本当に実施すると、おそらく、覇権国としてのアメリカの最後の大統領になるだろう。

事実、中国に、IMFの場で、その地位を脅かされ、AIIB創設で、挑戦されている。

幸い、その中国は、経済崩壊が近いので、当面は、アメリカにくっついていたほうが得策ではあるが、今後、是々非々で判断すべき案件も出てくるだろうと思う。

日本の外交も難しくなってきたものだ。

 

そんななかで、政界を見渡すと、本当に情けなくなるぐらい人がいない。小泉改革で離反した人々に人材はいたのだが、亀井静香をはじめそのほとんどが政治生命を絶たれている。小池百合子が今ブームであるが、一貫した政治信条があるとは感じられない。単に世渡り上手としか思えない。

三橋貴明氏や鳥内浩一氏などが、それぞれ社会人向けに塾を運営している。これらは本物である。

こういうところで勉強し、志をもって政治に向き合う人たちも、今後、出てくるだろう。頼もしい限りだ。

そういう人たちに期待したい。

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