「リベラル脳」ということ(9)

政治211009

総選挙が告示され、各党の政策・公約も発表され、舌戦たけなわです。小選挙区制度になり、野党も統一候補を立てて、自公政権に挑んでいる選挙区もあります。「バラマキ合戦」と批判されたり、「野合」と批判されたり・・・それぞれ相変わらずの「足の引っ張り合い」をしているようです。政治に首を突っ込むことは本意ではありませんが、行きがかり上のネガティブ・コメントをお許し戴きたい。というのも「リベラル脳」の典型が、極めて明確な形で、今度の選挙で現れているからです。

自民党内の、河野太郎や小泉進次郎の「リベラル脳」は、これまで指摘してきましたが、輪をかけて「リベラル脳」なのは、「維新」という政党です。ここまでくれば、もう「アメリカ脳」あるいは「自虐史観脳」と言っても過言ではありません。

 

「リベラル脳」の持ち主は、理性重視で感性軽視だから、論理的だと思っている人が多いのですが、実際はそうではなく、「歴史的事象の因縁果」を、論理的に追えていない人が多い。先入観で頭の中がいっぱいになっているのです。社会心理学の、格好の材料を提供しています。

養老孟子さんが昔『バカの壁』という本を書きましたが、まさしくそのバカが「維新」だというわけです。未だに、「改革」なくして「成長」なし、「成長」なくして「分配」なし、と言っています。途轍もなく「バカ集団」と言わざるを得ません。実際は、アメリカに強いられて「改革」をしたから「成長」しなくなって、しかも「分配」に歪みが生じてきたのです。そのことが、全く理解されていません。新自由主義や株主資本主義の意味すら、頭に入らず、素通りしてしまっています。

 

この党は、大阪での失敗を全国展開しようとしている政党です。コロナでは東京並みの死者を出し、若者は大阪から脱出、すっかり老人の街になり、大都市圏で、唯一、地価が下がっている・・・。

その因縁果が分析できていたら、恥ずかしくて、何も言えなくなってしまうのではないか。橋下徹の「改革」の影響だと未だにわかっていないのだろう。これを厚顔無恥と言う。行政に巣ぐう竹中平蔵の「パソナ」といい、大阪府民はたっぷりと、こんな「レントシーカー」に甘い蜜を吸われている。

 

アメリカの属国から、いかにうまく離脱するかを考えなければならない時期に、こんな政党が議席を伸ばす勢いだなんて、もう絶望的です。それほど多数の日本人が「リベラル脳」になってしまった。

「プラザ合意」「BIS規制」「日米半導体交渉」「日米構造協議」「郵政民営化」・・・などは何だったのでしょうか。その近現代史における位置づけが、全くわかっていない。日本は、戦争せずに、衰退の道を選んだのです。本来なら、その「悔しさ」を、どのようにしてリベンジするか、を考えなければならないはずである。それが、真っ当なリーダーの姿である。

 

さらに、MMTについても、全く理解していない。自国通貨建ての国債で、財政破綻することはあり得ない。財務省も、そんなことは、公式ホームページに記載しており、百も承知しているはずです。

経済というものは、物価・金利・為替などの動向で、常に市場からのメッセージを受け取るわけです。何十年も「デフレ」から脱却できないということはどんなメッセージなのか、誰が考えてもわかるはずです。もちろん、国際金融資本は、「日本の敵」ですから、国債の格付けを落とし、警告を発してくるでしょうけれど、それはまた別の問題です。

日本と違って中国は、世界覇権を狙ってくる、ということを国際金融資本はやっと理解できたのではないでしょうか。かつてGHQが、焚書で焼失させた7700冊以上の書物を復刻し、戦前の日本人の中国研究を、再度読み直してもらいたいと思います。彼らがやっと最近になって気づいた中国人の本質を、もう100年も前の日本人は完全に把握していたのです。

 

残念ながら、日本はもはや経済大国ではない。GDP世界シェアわずか6%の国になり果てました。平成の30年間の失敗は、大正・昭和初期の30年の失敗に匹敵するほど、大きなものでした。だから、あまりいきり立たないで東アジアという地政学的立ち位置でものを考えるしかないでしょう。

折角、「新しい資本主義」という言葉が聞かれて、自民党に期待したのですが、最近の岸田さんの変節ぶりを勘案すると、どうも期待外れに終わりそうな雰囲気ですね。党内をまとめるということは、それだけ大変なことなのでしょう。 

「グローバル化」と「民主主義」と「主権国家」の3つは鼎立しないとしたダニ・ロドリックの言葉をまたしても噛み締めることになりそうです。覇権国に有利なようにルールを作られ、それによって「日本の強み」を制限され、3つとも中途半端なところで右往左往しているのが、日本の現状です。

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